こんなことがありました!

新型コロナウイルス感染拡大予防のためにできることQ&A

2020年4月20日版

作成者:矢吹町立矢吹小学校 スクールカウンセラー 小野咲子

  2020年4月16日(木)に日本全国を対象に緊急事態宣言が出されました。これにより、国や県から今まで以上に外出を控えること、人の集まる施設の使用の制限(使用ができなくなる)、お店の営業時間の短縮・しばらくの間の閉店などが行われます。

 私たちはどうしたら良いでしょうか? 

Q1.今なにが起きているの?

A1.新型コロナウイルス感染による肺炎の病気が世界中で流行っています。

 2019年12月に中国の湖北省武漢市の保健機関により原因不明の肺炎患者が初めて報告されました。

 2020年1月に、原因が新種のコロナウイルスであることが確認されました。

 その後、世界各地で新型コロナウイルス感染による肺炎が流行し、日本でも東京や大阪など首都圏を中心に感染者が多く確認されています。福島県でも感染者が確認されていて、感染者が確認された会社や保育園などでは、感染拡大を防ぐために休みにして会社や保育園内を消毒しています。

 すでにみなさんが体験したように、3月には卒業式が予定よりも短縮して行われたり、休校になったりしました。4月に入ってからも感染拡大を予防するために、市町村ごとに感染者が確認されたところでは小・中学校が休校になったりしました。予定されていた行事が中止になったり、不要不急の外出の呼びかけがされていたりします。

 

Q2.なんで休校になったり、行事が中止になったり、外出の制限がされるの?

A2.人が集まったり、人との接触が増えたりすると感染が拡大するので、新型コロナウイルスに感染する人を減らす方法として行われます。

 
Q3.新型コロナウイルスに感染するとどうなるの?

A3.のどの痛み、咳、鼻水、発熱、強いだるさ、などの風邪のような症状が出ます。

 「味がしない」という味覚障害が起きる人もいます。

 重症化すると、熱が高くなり、呼吸困難になって息苦しくて寝ることも難しくなったりします。

 持病がある人は重症化しやすい、高齢者は亡くなることもあると言われています。

 体内にウイルスがいることは確認されても、症状が出ないという人もいます。

 
Q4.どうやって感染するの?

A4.飛沫感染と接触感染といわれています。

 感染した人がくしゃみや咳をしたり、話をする時につばが飛んだりした時に、一緒にウイルスが放出されます。他の人がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染します。これを飛沫感染といいます。

 また、感染した人がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触ると、触れた物にウイルスがつきます。他の人がそれを触ると、ウイルスが手につきます。ウイルスがついた手で口や鼻を触ると、粘膜からウイルスが体内に入って感染します。これを接触感染といいます。

 閉鎖した空間で、近距離で多くの人と会話するなどの環境では、咳やくしゃみなどの症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。

 

Q5.何が危ないの?

A5.いつ感染するかわかりません。受け入れられる病院が少ないです。

①  いつ、どこで感染するのか、他の人に感染させてしまったのかがわかりません。

 ウイルスに感染してから症状が出るまでに2週間かかる人もいます。また感染していても、症状が出ない人もいます。

 症状がない期間に、感染した人が人の集まる所にいたりすると、一緒にいた人たちに感染させてしまっていることがあります。
 感染していない人が「自分は大丈夫」と思って人の集まる所に行ってしまうと、知らない間に感染する可能性があります。

 

②  入院できる病院が少ないです。

 感染が広がらないように治療ができる設備の整った病院の数が少ないです。このまま感染する人たちが増え続けると、感染した人たちを治療できる病院がなくなり、治療できない人が出てきてしまいます。

 治療に関わってる医者や看護師などの病院関係者もずっと働き続けていて、疲れがたまっています。マスクや防護服が減り、新しいものが入ってこないため、病院関係者も感染する可能性が高く、病院関係者の感染が拡大すると、治療する人がいなくなってしまいます。

 こういった状態になってしまうことを医療崩壊といいます。

 

③病気を治すための薬やワクチンがまだありません。

 この病気を治すために、すでに販売されている薬を使って治療が行われたりしています。しかし副作用の心配などがあります。新しい病気のため、この病気を治すために使用しても安全な薬、重症化しないためのワクチンの研究が始められていますが、副作用が少なく、安全に患者さんに使用できるようになるまでには時間がかかります。今のところ、新しい薬やワクチンが一般の人に使用できるような状態になるまでには、1年では難しいと言われています。

 

Q6.感染しないためにはどうしたらいいの?

A6.感染しないようにできることをしましょう。

①  こまめな手洗い、うがいをしましょう。

 手についたウイルスが体内に入らないように落とすことが大切です。手洗い、うがい、消毒をしてウイルスを体内に入れないようにしましょう。

 ドアノブやテレビのリモコンなど、共有して触るものの消毒も有効です。

 服に付着したウイルスを落とすために、服の洗濯もしましょう。

 

②  マスクをつけましょう。

 外出をする時、人がいるところに出かける時、家のなかでも咳がある時にはマスクをつけて、飛沫感染を防ぎましょう。マスクがない時の咳は、ハンカチで口元を抑えましょう。

 使い捨てマスクは、ウイルスが付着している可能性のある内側と外側は触らず、ひもの部分を触ってゴミ箱に捨てましょう。布製マスクも外す時にはひもの部分を持って外しましょう。

 

③  目、鼻、口を手で触らないようにしましょう。

 ウイルスは目、手、口から体内に入ります。ウイルスがついている可能性がある手で目、鼻、口を触ってしまうと、ウイルスが体内に入ってしまいます。体内にウイルスを入れないよう、目、鼻、口を触らないように気をつけましょう。

 

④  換気をしましょう。

 空気の入れかえを行い、室内の空気中にある可能性のあるウイルスの量を減らしましょう。

 

⑤  不要不急の外出をしないようにしましょう。

 感染しないために、急ぎではない外出はしないようにしましょう。また外出をひかえることで、仕事や急用で外出しなければいけない人への感染拡大を防ぐことができます。

 必要な外出とは…生活維持のための買い物、病気になった時の病院受診(通院)、健康維持 

         のための運動(人がいない時間や場所を選んで行う)、など。

 不要不急の外出とは…遊びに行く、今すぐ必要ではないものの買い物、など。

 

⑤『3つの密』をさけましょう。
 「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような場所」、「不特定多数の人が接触する恐れが高い場所」で感染者が多く出ています。3つの条件がそろうような場所には行かないようにしましょう。

 

⑥  人と近づきすぎないように距離を取りましょう。

 人混みや近距離での会話、特に大きな声を出すことや歌うことにはリスクが高いと考えられています。

激しい呼気や大きな声を伴う運動についても感染リスクがある可能性が指摘されています。

 

Q7.学校ではどうしたらいいの?

A7.学校では、みなさんが感染しないよう、できるだけの予防をしています。

 A6.のように、手洗い、うがい、換気、マスク着用、検温をみなさんにお願いしています。

 矢吹小学校では、毎日放課後に先生方で分担して校内を消毒しています。登校後に教室に入る前にも一人ひとり手指の消毒を行っています。2時間目後の休み時間、給食前、掃除の後には手洗いをし、休み時間ごとに換気をしています。給食では向き合わないように、授業を受ける時の席のまま食べるようにしています。

 また密集をさけるため、朝会などの集まりは各教室で行うようにしたりしています。行事も中止したり、やり方を変えたりしています。

 みなさん一人ひとりの協力が必要です。毎日洗濯したハンカチを持ってくるようにしてください。

 

Q8.休校になったらどうしたらいいの?

A8.できるだけ自宅で過ごすようにしてください。

 一人ひとりが感染しない、感染させないことが大切です。

 思い立った時に外出ができない、できることが限られる、など我慢することが多くなります。

 自宅でできること、自分なりのストレス対処方法を見つけましょう。

 

Q9.どんなストレス対処方法があるの?

A9.いろいろな過ごし方がありますが、自分にあった方法を見つけましょう。

 例えば、音楽を聞く、歌を歌う、絵を描く、本や漫画を読む、工作をする、ストレッチをする、運動をする、深呼吸をする、リラクセーション(動作法:肩の上げ下げ、など)をする、空を見る、よく寝る、ゆっくりお風呂に入る、好きな食べ物を食べる、料理をする、ペットと遊ぶ、人と話をする、ゲーム(長時間にならないように注意)、などがあります。
 自分にあった方法を見つけましょう。

 
Q10.外で運動していいの?

A10.人が少ない場所や時間を選びましょう。

 室内で筋トレをしたり、自宅の庭があれば庭でできることをしましょう。

 運動部の人たちは走ったりしたい人もいるでしょう。その場合は、マスクをし、人との距離に気をつけて行ってください。

 

Q11.人と会えないのに、人と話できるの?

A11.方法を考えましょう。

 外出をひかえ、友達の家に行くこともひかえなければいけません。しかしながら、人との繋がりを大切にすることにより、孤独感・孤立感を少なくすることも必要です。

 では、どうしたら良いでしょうか?

 電話で話をする、手紙を書く、メール、SNSを利用してやり取りする、などができます。

 しかし、SNSの利用の仕方には注意しましょう。1日中やりとりをしていいわけではありません。友達とやりとりする時間を決めましょう。人の悪口をやりとりするのはやめましょう。本当ではないデマやうわさを広めることもやめましょう。

 

Q12.いつもと違う違和感を感じたり、心配なことがあったら?

A12.相談しましょう。

 新型コロナウイルス感染が流行する前とは違う生活を送っています。これまで当たり前にできていたことができなくなっています。これからの学校生活や行事もやり方が変わったり、中止になったりすることが続くことが予想されます。

 このような状況の変化や継続により、人は不安になったり、イライラしやすくなったりします。

 大人の人も仕事に行けなくなったり、収入が減ったりして、これからの生活の不安からストレスが大きくなっています。大人の人も不安でイライラしやすくなったり、気持ちが落ち込んだりしています。大人も子どももお互いにストレスを感じている状況です。
 ストレスが続くと、頭が痛くなったり、お腹が痛くなったり、眠れなくなったり、ご飯が食べられなくなったり多く食べるようになってしまったりします。気持ちも落ち着かなくなったり、泣きたくなったり、イライラして爆発したくなったりするかもしれません。

 そんなときには、相談できる人に相談しましょう。

 学校の先生たちは学校に勤務しています。学校に電話をして、先生と話をすることもできます。

 

Q13.ほかに気をつけることは?

A13.あります。

①  できるだけいつもと同じ時間で生活しましょう。

 朝起きる時間、ご飯を食べる時間、寝る時間を守り、学校で勉強している時間に自宅学習をして、規則正しい生活を維持しましょう。

 

②予定を立てよう。

 どの時間に勉強をするか、どの時間に友達とやり取りをするのか、どの時間に好きなことをするのか、予定を立てましょう。

 おうちの人と話し合って、どこで、何をして過ごすのかを確認しておくのも良いでしょう。ぜひお手伝いもしましょう。

 

③正しい情報を得るようにしましょう。
 毎日新しい情報が入ってくる状況です。しかし、「マスクがなくなる」のように、ネットなどではデマやうわさが流されやすく、発信された情報が正しいかわかりません。国や県、市町村、新聞など信用できる情報を見たり、信用できる大人の人に確認したりするようにしましょう。

 

④SNSの使い方に気をつけましょう。

 デマやうわさに振り回されないようにしましょう。発信しないようにもしましょう。

 知らない人とのやり取りには注意しましょう。

 

⑦  感染した人を責めるのはやめましょう。

 もし感染してしまった人がいたとしても、その人を責めるのはやめましょう。病気になりたくてなる人はいません。インフルエンザも、ワクチンを打って、手洗いうがいをしていて予防していてもインフルエンザになったりします。どんなに予防しても病気になることはあります。

 まずは自分が感染しないように気をつけましょう。

 

⑥免疫力を高めましょう。

 免疫力が落ちると、感染する可能性が高くなります。免疫力が上がれば、感染を防ぐことができたり、感染しても症状を出すことを防いだりすることができます。運動をしたり、栄養バランスの良い食事をとるようにしましょう。

 
参考にしたウェブサイト

♯厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

 http://www.mhlw.go.jp

 

♯国立成育医療研究センター こころの健診部 児童・思春期リエゾン診療科

  作成者:田中恭子・平井ゆり・大谷ゆい・松元和子

②     親子でできるストレス対処法編

③     子どもとできるセルフケア編

http://www.ncchd.go.jp