こんなことがありました!

コミュタン福島見学 4年生

 8月30日(金),4年生が校外学習に出かけてきました。出かけたのは「コミュタン福島,福島県環境創造センター交流棟」です。コミュタン福島は,福島県民の放射線に対する不安や疑問に答え,放射線や環境問題を理解し,環境の回復への意識を高めてもらうための施設です。滝桜で有名な田村郡三春町に造られました。オープンして3年がたったばかりです。

 まずは展示物の見学をしたとのこと。最初に見せていただいたのは霧箱だそうです。(桐箱ではありません)大きなガラス箱があって中には気化したエタノールが充満しています。そのガラス箱は下からドライアイスでマイナス50~60℃に冷やされているそうです。ガラス箱の中には霧のようなものが漂っていて,その霧の中を光の筋が走るとのこと。実はこれ,放射線です。霧箱とは私達の周囲を飛び交う放射線を可視化するものなのです。私達は,普段の生活の中で常に放射線を浴びているそうです。これを自然放射線と言います。宇宙からの放射線に加え,身の回りの自然に存在する放射性物質から微量の放射線を浴びていることになります。

 展示物の中に,遮蔽物によって放射線が遮られることを確かめる実験器具があったそうです。放射性物質と線量計の間に鉛の板を置くと,ほとんど線量を計測できなくなるとのこと。これをもとに,係の方が放射線から身を守る方法を教えてくださったそうです。①離れる(放射性物質から距離をとる),②間に重い物を置く(放射線を遮る),③近くにいる時間を短くする(放射線を受ける時間を短くする)の3つです。

 この施設のハイライトは「環境創造シアター」,これは前後・左右・上下,あらゆる角度に画像が映る球型の劇場だそうです。福島の美しい自然と豊かな文化を紹介する「ふくしまルネサンス」という番組を見せていただいたとのこと。ナレーターは西田敏行さんだったそうです。

 続いては,放射線が減っていく現象を実際に見て確かめる実習。霧箱の中に放射性物質を入れ,30秒間の放射線の数を数えるそうです。1回目は多すぎて数え切れなかったとのこと。(100?200?それ以上?)しかし,2回目,3回目と一気に数が減り,5回目はひとけたまで落ちたそうです。このように,放射性物質は放射線を永遠に出し続けるわけではなく,その量を少しずつ減らしていくとのことでした。ただし,それには時間が必要。例えば福島第一原子力発電所の水素爆発で飛散したセシウム137の線量が半減するには30年かかるそうです。

 午後は「環境創造ラボ」の見学。省エネへの取り組みや再生エネルギーの種類,環境配慮に関するReduce(減らす),Reuse(繰り返し使う),Recycle(再資源化)の3Rなどについて学んだそうです。

 見学は無事終了し帰路につきました。コミュタン福島は一般の方の見学も可能です。今度は,ぜひご家族でお出かけください。